梅の香りで嗅覚チェック‼️
今年は寒いせいか梅も遅い気がします。とはいえ、近所ではそろそろ満開かな。
以前は梅が咲き始めると、すぐに感知してどこで咲いてるのかなあって、梅の木を探したものです。
ですが、事故で嗅覚を失ってしまってからは、梅の花に近づかないと、香りがわからないんです。
それでも、事故から2年くらいは全くしなかったので、少しずつ良くはなっているのですが、まだコレからも変わるのかしら。。
嗅覚って、普段あまり意識しないと思います。
ワタシも事故直後は、嗅覚が無くなっていることに全く気づかなかったほどです。
担当のドクターに「今、匂いしていませんよね」と言われて初めて、気づいたのは入院してしばらくしてからでした。
食べ物などを食べる時には、自然と補っていたんですね。
いったん気づいてしまうと、匂いがしないことでの不便さを痛感しました。
まずは料理の味付けがわからない。作られたものを食べるだけならいいのですが、作る側となるとそうもいかない。
だしなどの香りが一切しないので、舌だけで味をつけてしまうと塩辛くなってしまうのです。
なので、しばらくは物凄い薄味なものしか作れませんでした。
必要なら、後で各個人が足せばいいだけです。
あと、これは今でもそうですが、焦げ臭いにおいがしないんです。なのでありとあらゆるものを焦がしました。
今でも火をつけていることを忘れがちなので、気をつける様にしています。
火事の時には間違いなく逃げ遅れます。
ガスの匂いも全くしませんでした。
匂いって大事だな、と失って初めて分かりました。感じられないと命を脅かします。
まあ、脳挫傷になって、嗅覚だけで済んだのはとてもラッキーなことらしいのですが。
「本当にココは嗅覚神経以外何もないところなんです。そこだけで済んだのは本当によかったですよ。」
とドクターが繰り返すので、そう思うことにしましたが。
出血箇所は前頭葉にあり、そのあたりには認知機能の分野などもありますので、日常生活が難なく送れている今をありがたく思います。
ですが、嗅覚って大脳にとって意外と大事みたいです。
嗅覚は胎児のうちから発達するところと考えられています。生まれてすぐに親の匂いを嗅ぎ分けるためですね。
嗅覚神経は、大脳辺縁系という、古い脳に直結していて、他の感覚とは違う伝わり方をします。
なので非常に本能的な働きをします。
例えば、うちの娘たちは父親の匂いに非常に敏感です。
それが遺伝学的には正常な反応なのです。子孫を残す対象ではない、近親者の異性には近づかないための防御反応です。
だから二人とも社会人になるや否や、速攻で家を出ていってしまう。。。それは正しいこと。ワタシはだいぶ寂しいけど。。
そういった嗅覚が衰えると、認知機能や、方向感覚が低下するとも言われています。
実はワタシ、方向感覚は本当に失いました。
それまでは、いつも北がどっちにあるか、無意識的に捉えていて、ナビがなくても行きたい場所には大体辿り着けたものです。
それが今は、ナビがあっても方角がよくわからなくなります。
歩いていても道に迷うこと迷うこと。
歳のせいかと思っていたら、嗅覚脱失の後遺症だった‼️と知ったのは最近のことです。
ですが人間の回復力というのは素晴らしいもので、諦めずに刺激を与え続ければ、少しずつでも良くなるものです。
嗅覚の刺激、つまりは積極的に匂いを嗅ぐことです。
意識していないとほとんど香りのない中で暮らしているので、無理矢理香りを感じるようにして大脳に刺激を与えるのです。
認知症の方にアロマオイルを定期的に嗅がせたら、認知機能が上がったという実験結果もあるようで、嗅覚を鍛えることの可能性ってかなりあるのではないかと。。
とりあえずは、嗅覚を日々刺激して、せめて火事の時は逃げられるようにしたいな、と思います。
できれば方向感覚も取り戻したいです。
梅を探しては、その花の香りを嗅いで刺激したい3月の始まりです。
3月に梅って。。やっぱりおそいですね。。
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