ブルーライトの「闇」
さて、ちょっと物々しいタイトルです。
これは今読んでいる本の
「スマホ脳」の中で使われていたフレーズです。
この本の帯には
「スティーブ・ジョブズはなぜ我が子にiPadを触らせなかったのか?」
というキャッチーな文言が書かれています。
この本は去年4月に、スウェーデン出身の精神科医、アンデシュ・ハンセン氏によって書かれていて、参考にしている論文も比較的新しいものが多いです。
「コロナに寄せて」という前書きも、出版に際し新たに付け加えられています。
精神科医としての臨床経験を通じて、様々な考察が行われていて大変興味深い内容です。
その中で特にブルーライトについて、ああなるほど、と思いました。
なぜブルーライトがよくないとされるのか。
「ブルーライトにはメラトニンの分泌を抑える特殊な効果がある。人間の目の中にブルーライトにだけ強く反応する細胞が存在するが、私たちの祖先にとってブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものだったからだ。」(P122より抜粋)
メラトニンとは脳の松果体というところから分泌される、睡眠を促すホルモンです。
なるほど、ブルーライトを目に入れるとは、青空を仰ぎ見ているようなもの。
昼間に活動するために、ブルーのライトに身体が反応するようにできているんですね。
イヤしかし、「祖先とワタシたちは全然違うよ」って思うかもしれません。
ですが、今の生活への変化にかかった期間というのは、20万年前に人類がアフリカに出現して以降の人類史の中においては非常に短いものです。
例えばスマホがこの世に出現したのは、人類史を100とすると、わずか0.001。
1万分の1しかないんです。
そんな短期間に人間の身体が変化することは、到底難しく、よってその弊害が多く発生している、とこの本の中で著者は繰り返し述べています。
スウェーデンにおいても、睡眠障害や精神不安に悩む若者が急増していて、睡眠薬を手放せなくなっている人もかなりの数になっているとも。
まずはスマホを寝室から追い出すこと。
週に3回運動すること。
(ストレスを最大限に下げ集中力を高めたければ、週に3回45分の運動をするとよい、と書かれています。心拍数が上がればなおよい、のだそうです。)
の2つを、まずは睡眠薬を処方する前に勧めているそうです。
その他にも、様々な興味深い話が、とても分かりやすく書かれています。(翻訳もとても上手だと思います。)
是非ご一読をお勧めいたします。
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